誰でも強くなれると思います。
なんせオレが強くなれたんですから。
少し自分のことを話します。
オレは小学生低学年のときに大きな事故に遭いました。そのおかげで身体が不自由で、通院や手術を繰り返していました。
車イスで通学することも頻繁にありました。体育の授業などは受けられませんでした。もちろん、運動もやったことはありません。
強さへの憧れは人一倍ありました。肉体的にも、精神的にも強くなりたいと願っていました。
中学2年生のときに、5度目の手術を行い、脚が自由に動くようになりました。
そして医者の猛反対を押し切る形で、近くの空手道場に入門することにしました。
しかし、これまで、障害児といっていいほどの生活を過ごしていたオレにとっては、空手の練習は過酷そのものでした。上達も遅い。
結局、道場の先生や生徒たちからバカにされ、辛くなって半月で挫折しました。
父が厳しかったこともあり、「一度決めたことは最後までやり遂げろ」と尻を叩かれましたが、オレは運動よりも本を読むことが好きだったので、空手はもうやりたくないと思っていました。
とはいえ、「強くないたい」という気持ちはどこか残っていました。
そして、高校入学と同時に、フルコンタクト空手の道場への入門を決意しました。辛かったですが、今度こそ止めたくないと自分に言い聞かせ、毎回ボコボコになりながらも食い下がりました。
そのうちに上達してきました。最初の昇級試験のときには2人をKOし、一気に7級まで「飛び級」したほどです。
高校2年生のときには、近所にできたばかりのキックボクシング同好会にも通うことになり、本格的に格闘技にのめり込むことになりました。
大学に入学してからも、格闘技がますます好きになり、今度は選手として試合にも出るようになりました。
学生時代は時間に余裕があったため、空手やキック以外にも、中国拳法やボクシングなど、色々な格闘技に触れる機会もありました。
強くなるにしたがい、いつのまにか自分が障害を持っていたことなんて忘れていました。
実際、いまでも右腕は90度までしか曲げられません。が、そんなものはハンディだとは思っていません。
オレをずっと診てきた医者に言わせれば、常識では考えられないとか。
確かに、ここまで来るには大変でした。オレの場合、普通の人と違って、空手を始めたときは「マイナスからの出発」でしたから。
ジムで選手志望の若い練習生などを見ていると、内心、「甘いな」といつも感じてしまいます。
失礼とは思いつつも、練習生をバカにした目つきで見てしまうこともあります。よく「右拳を痛めた」、「右足を捻挫した」とかの理由で練習を休む人がいます。
しかし、オレなら右拳を痛めたなら左のみで練習し、足を捻挫したならパンチかウェイトトレーニングに専念します。別に寝たきりの難病にかかった訳ではないですから。
要はやる気です。そういう人たちを見ながら、恵まれた身体なのに、なぜもっと練しないのか疑問に感じます。
オレの経験から言えば、空手やキックでは、本人の努力次第で、誰でも強くなれると思います。それだけ素晴らしいスポーツ、武道だと思います。
繰り返しになりますが、オレでも強くなれたんですから。
これからも自分のライフワークとして続けていきたいと思っています。
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